離婚後の年金分割【3号分割請求のメリットとデメリット】

目次
年金の3号分割請求の条件
離婚後に年金分割請求をしましょう!というお話をしています。3号分割請求は相手方の同意ナシで申請できる制度ですが、条件によってメリットとデメリットがあります。
3号分割請求ではなく合意分割をした方がいいケースも合わせてお話したいと思います。
メリット2つ
年金の3号分割制度のメリットは
- 相手の合意がいらない
- 第3号被保険者に加入していた人が手続きできる
ということが考えられます。
相手の合意がいらない
離婚をするときには、相手方といろいろな交渉をしなければなりません。
子どもの親権のことやお金のこと、家や財産のことなど、話し合いがスムーズに進まないことも多くあります。(そもそも、話し合いがスムーズに進むような相手ならば、離婚という選択はしていないと思いますが…)
そんな中で、相手の合意がいらない3号分割請求制度は申請しやすい制度です。
第3号被保険者に加入していた人が手続きできる
3号分割制度は書類がそろえば、第3号被保険者に加入していた人が手続きできるので、相手方に確認を取らなくても申請ができます。
離婚後はあまり相手と連絡を取りたくなかったり、そもそも音信不通になっていたりすることもあるので、相手に確認を取るという手間がないことはメリットです。
厚生年金の標準報酬が改定したら、自分と相手方に標準報酬改定通知書が届きますが、相手は改定を拒否することができません。
デメリット2つ
3号分割請求は、メリットだけじゃなくもちろんデメリットもあります。
- 相手方の戸籍謄本が必要
- 平成20年4月以前の厚生年金は分割できない
スムーズに進められたら簡単な手続きですが、思わぬところで難航することもあります…。
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相手方の戸籍謄本が必要
3号分割請求には、相手方の戸籍謄本が必要です。
婚姻していたこと、離婚の年月日、相手の生存を証明する書類として使います。
基本的に「公的機関に提出する」という理由があると、相手方の戸籍謄本の取得は可能です。
また、離婚で除籍されていても、戸籍謄本にはまだ自分の名前が記載されていれば、戸籍に載っている「本人」として取得できますよ。
ただし、戸籍謄本は本籍が登録されている場所で取得しなければならないため、相手の本籍がどこにあるのかわかっていることが前提条件です。
離婚後に引越しなどで相手が本籍をうつしたり、特定されないように故意的に本籍をうつす可能性もあるので、戸籍謄本の取得ができるかどうか確認しましょう。
平成20年4月以前の厚生年金は分割できない
3号分割請求は、平成20年5月以降に離婚をしていて、平成20年4月以降にも厚生年金に加入していることが条件のひとつです。
ただし、3号分割請求では平成20年4月以前の分は請求できません。
ちなみにわたしは、平成20年4月以前の分は分割請求していない状態です。
相手方と直接連絡ができる状態ではないため、調停の申立をするか、泣き寝入りするか迷っています。
今後、合意分割請求をした場合には、実体験をレポートします。
合意分割を請求した方がいい場合もある
3号分割請求は、条件を満たす場合はとても便利な制度です。
ただし、平成20年4月以前の婚姻期間が長い場合には、合意分割をしましょう!
平成20年4月以前の厚生年金加入分は、合意分割する以外に方法がないので、離婚が成立した翌日から2年以内に合意分割請求をしましょう。
3号分割請求が成立したあとでも合意分割請求はできる
もしも、期限である離婚が成立してから2年が迫っている場合や、合意分割をしようかどうか迷っているときには、まずは3号分割請求をするのがおすすめです。
なぜなら、3号分割請求が成立した後に、合意分割請求もできます。
もしも相手が話し合いに応じてくれない場合には、家庭裁判所で調停や審判の申立ても可能。
3号分割請求をするまえに合意分割請求をした場合には、合意分割が成立したときに3号分割にかかる期間の請求も完了するそうです。
調停や審判で分割請求が成立したあとは、調停調書など必要な書類持って年金事務所で手続きをするのを忘れないようにしましょう!
(ちなみに…調停などで請求期限が経過してしまった場合は特例もありますが、基本的には離婚後2年以内に請求しましょう。)
婚姻期間によって3号分割請求を有効に利用しよう!
年金の3号分割請求は、メリットありますがもちろんデメリットもあります。
平成20年5月1日以降に離婚をしていると、平成20年4月1日以後の婚姻期間中の3号保険者期間の相手方の厚生年金記録を分割できる制度です。
もしも、平成20年4月1日以前の婚姻期間が長い場合には、合意分割がおすすめですよ。
3号分割請求や合意分割請求は、離婚をした相手に遠慮してあきらめるのではなく、自分の将来のために申請してください!
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